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[文化] [研究] 栗栖継氏、死去

チェコ文学者でエスペランティストの栗栖継さんが今年の4月に亡くなっておられたことを、つい最近になって知った。大分以前にアップロードしたこの記事にも書いたことだが、わたしがそもそもチェコ人がものした文学作品に最初に接したのは、栗栖さんが翻訳されたチャペックの『山椒魚戦争』を読んだ際のことだった(音楽については、スメタナの『我が祖国』の第2 曲『ヴルタヴァ』を小学生の頃に耳にしていた。別にスメタナのこの曲を聴きたくて聴いたのではなく、通っていた近くの公立小学校の朝礼で校庭を掃除する際の BGM として使われていたのだ。今思うと、この小学校の放送部顧問を務めていた教師の音楽の趣味は、結構イッていた)。巻末の解説においては、外国文学の解説にありがちな当り障りのない通り一遍の話だけではなく、チャペックのこの作品が書かれた背景や社会主義政権下での彼の作品の受容に関する問題が、一介の中学生にも分かるように書かれていたことに驚かされた。さらに驚かされたのは、こうした問題に関する情報や文献は、現地のエスペランティストとの文通を通して得られたということも随所で明記されていたことである。

栗栖さんのこの翻訳本がなければ、わたしはエスペラントにも手を出さなかっただろうし、大学に入ってからロシア語やチェコ語に手を出すだけではなくヤナーチェクの研究などという馬鹿の極みのようなことを企てようとも思わなかったことと思う。もしかすれば大学院などという魔窟に身を落とすことなくカタギの仕事に就いていたかもしれない。それくらいにインパクトが強い本だったのだ。

最後になったが、栗栖さんのご冥福を祈る。

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